【映画】「トランスフォーマー/リベンジ」

[★★★★☆]

ひゃっほー!!

トランスフォーマー/リベンジ [Blu-ray]
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あらすじ:

2007 年に大ヒットを記録したSFアクション大作「トランスフォーマー」の続編。正義のトランスフォーマーオートボット”との戦いに敗れた悪の“ディセプティコン”が、合体トランスフォーマーのデバステイターや、メガトロン以上に凶悪なフォールンら、新たな仲間を引き連れて再び地球を襲い、戦いを巻き起こす。マイケル・ベイ監督、主演のシャイア・ラブーフら前作のスタッフ、キャストが再結集。(eiga.comより)

映画情報:
原題:Transformers: Revenge of the Fallen
監督:マイケル・ベイ
製作:ドン・マーフィ、トム・デサント、ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、イアン・ブライス
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグマイケル・ベイ、ブライアン・ゴールドナー、マーク・バーラディアン
脚本:アーレン・クルーガーロベルト・オーチーアレックス・カーツマン
撮影:ベン・セレシン
美術:ナイジェル・フェルプス
編集:ポール・ルベル、ジョエル・ネグロン、トーマス・A・マルドゥーン
音楽:スティーブ・ジャブロンスキー
製作国:2009年アメリカ映画
上映時間:2時間30分
配給:パラマウント
キャスト:シャイア・ラブーフミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソンジョン・タトゥーロ、ケビン・ダン、ジュリー・ホワイト、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ラモン・ロドリゲス、イザベル・ルーカス、グレン・モーシャワー、レイン・ウィルソン、マシュー・マースデン

感想:



(※注意!)

  • この映画は、深遠なテーマや問題を提起しているものではありません。
  • 特撮、ロボット、変身、爆発、以上の言葉にひとつもひっかからなかった人はこの映画を見る必要は全くありません。


以上の注意を踏まえた上で、下の感想をお読みください。


以上の注意に該当しなかった人にとっては、この映画は最高に楽しめる娯楽作品だと思います!初めから終わりまで徹底的にエンターテインすることに徹した、少なくとも「男の子」にとっては夢のような作品。設定を一から説明する必要がない、とにかく物量で1を圧倒するなど、「2」としての利点を生かしきった快作だと思います。


ストーリーは前作と同様、あってないようなもの。前作を見ていないと、なぜディセプティコンが地球を襲うのか、そしてなぜオートボットは人類の味方なのかがわからないと思いますが、前作を見た私もその辺はうろ覚えなので、その点はまったく問題ないと思います。とにかく正義の味方と悪役が戦うんですよ!初めは、なるほどディセプティコンは現実のテロリストを意味しているのか、とも思いましたが、まったくそんなことはありませんでした(と思います)。やはりこの映画に教訓などない。しかしながら、コメディー要素は残っているものの、意外やヒーローロボットものの定石を踏んでいて、男子の心が揺さぶられる瞬間もいくつかありました。


なんといってもこの映画の見所は、前作の4倍以上登場するというトランスフォーマー(以下、TF)たちの活躍に他なりません。相変わらずトランスフォームする瞬間の気持ち良さったらない。TF自体も、前作よりも生き生きと動いているように感じ、殺陣などのアクションが様になっていて本当にカッコよかった。それぞれにキャラ付けがしてあり、かつ見せ場もちゃんと用意されていて、見所は多かった。ただ、出てくるTFが多すぎ、かつデザインがリアルなだけに判別が難しいという問題はありましたが…。


最近のゲームに出てくる規格外のデカさのボスを彷彿とさせるデバステーターの存在感や、主人公のサム(シャイア・ラブーフ)に伝説を伝承する老TFのジェット・ファイアなど、特徴的なTFも続々登場して、世界観に深みがでていました。もちろん、ツッコミ部分もあるけれど、それを補ってあまりあるほどとにかく「楽しい!」映画でした。レールガンなどの米軍の兵器が多数登場するのも、この映画の魅力の一つかな。


サム役のシャイア・ラブーフは相変わらずハマリ役だと思います。キチガイ演技には本当に笑ってしまいました。しかし今回は、サムの恋人役のミカエラを演じたミーガン・フォックスの魅力がとにかく全開!彼女の尻神様としてのご威光をぜひ拝んでいただければと思います(新作にキャスティングされなかったのが残念でなりません…)。サムの両親のキャラも相変わらず最高で、特に今回はお母さんがヤバい。おもしろすぎます。


ストーリー的な難点をいえば、多くあると思うのですが、何よりもサムとミカエラの関係性に変化がないということでしょうか。サム自身もこの映画を通じて成長している訳ではなく、物語として希薄であることは否めません。米軍の存在が何の疑いもなく礼賛されていたり、シビリアンコントロールを堂々と否定している部分も気になる点ではあります。果たしてオバマ大統領を登場させる必要があったのかとも思う。


でも、ロボット、変身、爆発、女の子、兵器と…この映画は「男の子」が好きな物だけを集めた映画なんです!だからこの映画は「男の子」のためのファンタジー映画であり、小さい頃にロボット玩具で遊んだり、ロボットアニメに胸焦がしたことのある男性ならば、何かしらの琴線に触れるはず。ラジー賞の最低映画賞という名誉ある賞を見事受賞した今作を、ぜひ見てみることをおススメします!

【映画】「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」

[★★☆☆☆]

天国の門へと駆け走れ!

あらすじ:

 本国ドイツで大ヒットとなったアクション・ロード・ムービー。余命わずかと宣告され、たまたま末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。二人は 死ぬ前に海を見るために病棟を抜け出し、ベンツを盗んで最後の冒険へと出発した。その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことも知らずに……。 道中、残り少ない命の彼らに怖いものなどなく、犯罪を繰り返し、ギャングのみならず、警察からも追われる身になるのだが……。 (Yahoo!映画より)

映画情報:
キャスト:ティル・シュバイガー、ヤン・ヨゼフ・リーファース、ティエリー・ファン・ベルフェーケ、モーリッツ・ブライブトロイ、フープ・シュターベル、ルトガー・ハウアー
製作・脚本:ティル・シュバイガー
製作:アンドレ・ヘンニッケ、トム・ツィックラー
監督・脚本:トーマス・ヤーン
撮影:ゲーロ・シュテフェン
音楽:ゼーリッヒ

感想:

久しぶりにブログを更新してみます。ブログ再開第一弾は、ドイツ映画の「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」。


この映画は、タイトルの通り、天国行きの切符を手にした、余命いくばくもない男二人のロード・ムービーとなっています。他の方の評価などを見ていると、オールタイムベストに挙げられていることも多いようですが、はっきりいって私はこの映画はまったくピンときませんでした。「死の気配を漂わせたロードムービー」という私好みの設定であったにも関わらず。

ロードムービーには、初めからその旅の終わりが明示される場合と、曖昧模糊なまま旅が続けられる場合の二種類がある。この映画は、その場合の前者にあたる。ともに末期病患者であり、死期が迫っているという共通点を持つマーチン(ティル・シュバイガー)とルディ(ヤン・ヨゼフ・リーファース)は、死ぬ前に「海を見る」という目的のために、病院を抜け出し、ドイツ中を駆け巡る。

私がこの映画に嵌れなかった一番の部分は、その演出にある。おそらくタランティーノガイ・リッチーを意識したのだろう、テンポ重視の編集や音楽の挿入がなされるのだが、そのどれもがどこかずれていると言わざるを得ない。どれもこれも「オシャレ気」になっているだけで、映画本来のダイナミズムや小気味よさにはなんら貢献していない。

また、脚本自体もそれほど上手さを感じさせるものではない。この映画では、主人公の二人、二人を追うギャング、警察という三つの視点が交差しながら描かれるのだが、それぞれのつながりは薄い。あくまで三者はバラバラのまま行動し続け、バラバラのまま映画は終わる。タランティーノ映画が素晴らしいのは、一見バラバラに見えるピースが最終的にピッタリと収まるその瞬間、その感動にあると思う。だがこの映画にはそれがなく、バラバラのピースのまま、はい完成品のパズルですよと提示される気分だ。たしかに、一部を抜き出せば、この映画にはユーモアの効いたシーンもセリフもあるかもしれない。しかし、映画とはあくまで全体でひとつの作品なのであって、ひとつひとつのピースが素晴らしいからといって、出来上がったパズルが素晴らしいものになるとは限らない。第一、どのギャグも的外れで滑っていたように思えるのは私だけだろうか?


この映画では主人公二人はその始まりから終わりまで、何の衝突もなく、良好な関係のまま旅を続けていく。このあたりも物語が平板に感じる一端だろう。また、両者ともに死期が迫っているという割には、発作描写などがあるのは一方だけというのも、設定を生かし切れていないという印象を受けた。

軽妙な展開やテンポを評価する向きもあるようだが、私はそれにも否定的な印象を受けた。物語の発端が発端である以上、これをシリアスに描こうとすれば、過度に重い映画になってしまうだろう。かといって、この映画では本来描くべき「死」というテーマがあまりに不在しているのではないか。確かに、物語の合間合間に発作の描写を挿入することで、登場人物のすぐ傍に死が寄り添っていることは提示されるのだが、他のシーンで一切そうした雰囲気が見られない以上、それがあまりに作為的に映ってしまう。

結局のところ、この映画は「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」というシャレオツなタイトルをつけ、シャレオツなラストシーンを描くためだけに作られたのではないかと邪推してしまっても仕方ない。しかしそこに至るまでのプロセスすらまるで成っていないため、肝心のラストシーンもなんだかなあなものになってしまっている。非常に残念な作品だった。


最近見たロードムービーに「人生に乾杯!」というハンガリー映画があるのだが、こちらの方が小気味いいテンポと軽妙なギャグセンスで笑わせてくれた。こちらは老夫婦のロードムービーという変わった趣向の作品なので、機会があればぜひ見てほしい。

余談だが、主人公二人の容姿や設定は「スケアクロウ」におけるジーン・ハックマンアル・パチーノにヒントを得ているのではないかと感じた。ロードムービーとしてはこちらの方が数段素晴らしい映画なので、もし「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」が面白いと感じた方は、この映画も見てみてはいかがでしょうか。

【映画】「サウンド・オブ・サンダー」

[★★☆☆☆]

いかずちの音は聴こえない?

あらすじ:
近未来、人類はついにタイムトラベルの技術を手に入れた。シカゴの旅行代理店タイム・サファリ社は高額所得者を対象に、タイムマシンを使った白亜紀恐竜ハン ティングツアーを売りにしていた。ある夜、ツアー参加者を招いたパーティーにタイムマシンの開発者ソニア・ランド博士が乱入、ツアーの危険性を指摘する。 ツアーの引率者ライヤー博士は彼女から真相を聞きだすが、危惧する事態はほどなく現実のものとなってしまう。[ 2006年3月25日公開 ](goo映画より)


映画情報:

キャスト:エドワード・バーンズキャサリン・マコーマックベン・キングズレー
監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー、ジョシュア・オッペンハイマー、グレッグ・ポイリアー
原作:レイ・ブラッドベリ
撮影:ピーター・ハイアムズ
音楽:ニック・グレニー=スミス
原題:A Sound of Thunder
製作国:2004年アメリカ映画
配給:松竹
上映時間:102分

感想:



この作品は、レイ・ブラッドベリの短編小説「雷のとどろくような声」を、「カプリコン1」などで知られるピーター・ハイアムズが監督したものです。ここで描かれるのは、タイムスリップモノの王道中の王道、過去での行動が未来を激変させてしまったら…?というもの。


これまで何度となく他の映画や小説で描かれてきた題材をピーター・ハイアムズ監督が果たしてどのように料理するのか!?そんな期待で見始めた今作ですが、結果として新しいものは何ひとつ提示されていなかったといっていいでしょう。予想通りの展開、予想通りの結末で終わってしまいました。また、2004年の映画にしては、グラフィックがあまりにチープで、B級感この上ありませんでした。でもこの映画、製作費100億円かかってるらしいですよ(製作時に色々とゴタゴタはあったみたいですが…)。


原作は未読なので、どこまでこの映画自体の欠点であるかは判断尽きにくいですが、そもそもの設定にもツッコみどころは満載です。タイム・トラベル自体が現実のものでない以上、殊更にそこに論理性を求めるのは間違いかもしれませんが、それでもこの映画における「時間の波」という概念には首を捻らざるを得ません。進化の前段階にいる生物から次第に影響を受けていくという設定なのですが、もしも単細胞生物が影響を受けたとすれば、それは人類にも当然直接の影響が現れるのではないでしょうか?


・・・と、まぁほかにも色々あるのですが、そうした矛盾をぐっと飲み込んでさえしまえば、案外普通のディザスターもしくはモンスター映画としてほどほどに楽しめる作品かもしれません。逆にいえば、それ以上にこの映画を見るポジティブな意味は見出せません。あ、ハットン社長を演じたベン・キングズレーはこの作品のなかで唯一光っていた存在だと思います。さすがアカデミー俳優!


余談。途中で出てくるモンスターはドドブランゴ亜種といった風体で、ハンター心をくすぐられる方も多いのではないでしょうか。